コラム

評定平均、学習成績が悪いと総合型選抜入試は合格できないのか

評定平均、学習成績が悪いと総合型選抜入試は合格できないのか

「総合型選抜入試では、学校の評定平均すなわち学習成績はどこまで影響するのですか?」という質問は、毎年多くの受験生から寄せられます。その裏返しとしては「評定平均があまり芳しくないのですが大丈夫でしょうか?」という不安が含まれているように思います。

まず、入試要綱の中で評定平均に一定の基準を設けている学部学科の場合は、それに達していなければ当然ですが出願の段階で引っ掛かるでしょう。問題は、明確な基準が記載されていない場合にどうなのかということです。結論としては、たとえ評定平均の基準が設定されていなかったとしても全くの無関係とは言えないということになります。

例えば、小論文やプレゼン発表、面接が合格レベルに達していたとしても、学校での学習成績が著しく悪いとか、評定平均はそこそこでも科目によってバラツキがあって著しく評価が低い科目があるとなると大学側も慎重にならざるを得ないでしょう。また、志望理由書、小論文、面接等の評価について同レベルの受験生が合否のボーダーライン上に複数並んだ場合、評定平均の良い受験生から選んでいくことも十分考えられます。これは、学生を受け入れる大学側の立場になって考えてみれば当然のことと言えます。したがって、たとえ入試要綱の受験条件に評定平均の基準が設定されていなかったとしても全くの無関係とは言えないということになります。

かつてAO入試に挑戦する受験生が少なくまだ珍しかった時には、学校の学習成績に関わらずリーダーシップやバイタリティーといった受験生の資質を中心に評価するという傾向がありました。そのため、プレゼンテーション発表や面接での前向きで積極的な姿勢が見られれば、より高く評価され、合格確率が格段に高まっていました。しかし、AO入試が総合型選抜へと名称が変わると共に、導入する大学が増加し、受験者数が一般入試を含めた全体の半数以上を超えてくると、評定平均、学習成績を考慮せざるを得なくなってきたと考えられます。

では一体、それぞれの学部学科に合った基準はどのように考えればよいのでしょうか。

あくまで大まかな目安ですが、5段階の評定平均、学習成績を基に考えると、偏差値30レベルは1.0以上、偏差値40レベルは2.0以上、偏差値50レベルは3.0以上、偏差値60レネルは4.0以上、そして偏差値70レベルは限りなく5.0に近い評価が必要とされるでしょう。繰り返しますが、もちろんこれはあくまで大まかな目安であり、入試要綱に基準が明記されていない場合、これを満たしていないからといって即不合格になるということではありません。

例えば、当塾のこれまでの受験生を見てみると、評定平均が3.8でも偏差値60以上の大学に合格したケースもあれば、評定平均が4.2でも偏差値58の大学に不合格となったケースもあります。これは、やはり小論文や面接など当日の評価が大きく影響していると考えられます。総合型選抜入試は、一般入試と同じように当日の緊張感の中でそれまでの自分の努力をいかに発揮できるかが合否を分ける重要な要素となります。ですから、評定平均に多少不安があったとしても最初から諦める必要はないわけです。むしろ学習成績の不足分を補っても余りが出るほどに小論文や面接、プレゼン発表で圧倒的な高得点が獲得できるように努力をすれば良いのです。そして、その前向きな姿勢こそが大学が求めるアドミッションポリシーに合致して評価されることに繋がるのです。

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