高校2年生から早めに始める総合型選抜・公募推薦対策
例年、総合型選抜や公募推薦の対策は3年生の6月から7月あたりから本格化し、当塾でも面談や入塾のお申込みが増加します。中には8月のお盆過ぎや9月に入ってから駆け込みで対策に取り組むという受験生もいらっしゃいます。当然のことながら出願までの時間との戦いとなり、慌ただしくなってしまいます。やはり期限のある取り組みは、早め早めにスタートをして気持ちに余裕を持っておくことが大切です。もちろんその年の正式な受験要項は6月以降にならないと発表されませんので、合格に向けた具体的な取り組みはどうしても6月以降になってきます。過去の受験要項について情報収集することもできますが、エントリーシートの書式や課題論文、プレゼンテーションの方法が変更になる可能性もありますので、やはり正式な情報をもとに対策を講じる必要があります。
総合型選抜、公募推薦で要求される2大ポイントは、書く力と話す力です。まず志望理由書、エントリーシート、課題論文、小論文では正しい日本語で分かりやすく書くことが求められます。その第一歩が漢字です。志望理由書やエントリーシート、課題論文など事前にチェックできるものは心配ありませんが、試験日当日の小論文では誤字脱字はそのまま減点の対象となってしまいます。したがって、漢字検定の準2級から2級レベルぐらいの力は身につけておく必要があります。漢字力に不安がある人は、早めに実力アップに取り組んで時間があれば実際に検定を受けてみるのも良いでしょう。また、句読点や接続詞の正しく使うことも大事な要素です。読みづらい文章や分かりづらい文章では、採点官に正しく理解されませんから、小論文では大きなマイナスポイントとなってしまいます。こちらは、とにかく自分で文章を書いてみて、添削を受けるのが望ましいです。例えば、興味がある社会の出来事に関する問題点や自分なりの解決策について100字程度から書き始めて、自分の弱点や癖を早めに把握し、改善すると良いでしょう。
次に、話す力です。こちらは面接試験で重要な要素となります。まずは礼儀正しい日本語で丁寧に話す習慣を身につけなければなりません。「やっぱ」「超」「すごい」のように友達との会話で何気なく使っているおしゃべり言葉が出ないように矯正しなければなりません。また、僕は私、お父さんは父、お母さんは母というように表現自体を改めなければならないこともあります。話し方というものは、日常生活の中から染み付いていますから、改めるといってもそう簡単にはいかないものです。また、最近はLINEなどのメッセージによるコミュニケーションが中心になっていますから、そもそも言葉にして話す機会が減っているという傾向も見られます。だからこそ時間を掛けて習慣作りにじっくり取り組んでおくことが必要になります。
そして、物事に対する自分の考えを言葉にして話す練習も早めにしておくことをお勧めします。例えば、自分の性格はどういうタイプなのか?長所は?短所は?高校生活とは自分にとってどのようなものであったか?部活で取り組んでいる競技、野球やサッカーやテニスは自分にとってどんな魅力があるのか?など挙げればきりがありません。こういったシンプルな質問に自分の考えを言葉にすることは、簡単なようで実は難しいのです。しかも自分の性格は元気で明るい!高校生活は楽しかった!部活の競技の魅力は楽しいこと!といった小学校低学年のような返答では、合格レベルに達しないことは言うまでもありません。したがって、もっと具体的に高校生として恥ずかしくない表現力を身につける必要があります。そのためには、一つひとつの物事について深く考え、それを的確な言葉で表現する練習をしなければならないのです。この点も一朝一夕には改善することは難しく、時間を掛けてじっくり取り組む必要があるのです。