コラム

東洋大学国際観光学部 総合型選抜(AO型)課題レポートの書き方

指定された文字数は多くない

東洋大学国際観光学部の総合型選抜(AO 型推薦入試)総合系(一般型)において、合否の要となるのが課題レポートです。志望理由書と小論文に対して配点が高く設定されており、どうまとめるかが勝負の分かれ目となります。また、試験当日のプレゼンテーション発表の土台になりますから、じっくりと考えて文章に落とし込む必要があります。従来からA4用紙に1枚以内という字数制限が設けられており、段落の字下げや改行を考慮すると1400字以下にまとめることになります。原稿用紙に換算すると3枚半のボリュームになりますが、決して余裕のある文字数ではなく、簡潔にまとめていかないとあっという間に制限に達してしまいます。

独創的なアイディアをいかに考えるか

例えば2022年度は「ポストコロナ時代において(中略)今後、富裕層の来訪・滞在の促進を図るためにあなたが有効と考える具体的な施策を1つ提案するとともに、なぜその施策が有効と考えるのか理由を説明してください。」となっています。最も大切なことは、独創性があるアイディアを持って論じることです。例えば、「ユーチューブを使って日本の魅力を世界に発信する」とか「和食や着物、寺院などの歴史的建造物をアピールする」といった論点では、あまりに一般的過ぎて「あなたの提案」とは言えません。すでに日本ではインバウンドの活性化について長年論じられており、様々なアイディアが提示されています。そうしたアイディアをなぞるのではなく、組み合わせたり、アレンジしたり、あるいは全く新しい視点から導き出すことが、受験生には求められているのです。

絵に描いた餅のアイディアになっていないか

その一方で、実現可能性がある提案をすることも重要です。例えば「JALやANAの旅客機を富裕層専用のプライベートジェットとして運航する」「ディズニーランドやUSJで富裕層限定の貸し切りイベントを実施する」といったアイディアを出したとします。はたしてそれは実現可能でしょうか。その方が売上と利益が大きくなり、かつ富裕層もその運賃や入場料を支払うことができるのならば実現するかもしれません。このように提案というものは子どもが描くような夢物語ではなく、社会活動、経済活動として実現可能性を追求しなければならないのです。そのためにも観光産業に関わる企業の事業内容や国、地方自治体の活動、観光客の動向など客観的なデータと共にしっかり学習しておくことが大切になります。

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