総合型選抜・公募推薦の合格者の共通点
昨年12月をもって当塾の総合型選抜、公募推薦の全ての受験生の指導が終わりました。一人ひとりが頑張ってくれたおかげで、たくさんの喜びの報告を聴くことができました。例年のことですが、入塾面談をした時には本当に合格できるのか、皆さん大きな不安を抱えており、実際の対策が始まっても不安、不安、不安、とにかく不安に苛まれていたことが昨日のことのように思い起こされます。しかし、そうした中でも文章の書き方が上達したり、面接での話し方が改善されたりといった小さな成功体験を積み上げることで、合格に繋がっていったような気がします。そこで、今回は総合型選抜・公募推薦の合格者に見られる共通点について考えてみたいと思います。そして、今年度に総合型選抜・公募推薦への挑戦を考えている受験生に参考にしていただきたいと思います。
まず、最初に挙げられるのが「逆境、逆転の合格」が意外に多いということです。当塾の受験生は特に多いように感じます。プレゼンテーションで何を発表しようか方向性が定まらない、文章を書くのが苦手、分かりやすく話をすることができない等、とにかく最初は不安要素ばかりを抱える受験生が少なくありません。中には周りの友達からも「うちらの高校からじゃ無理だよ」「○○大学□□学部なんて人気があって倍率高いし受からないよ」と言われたようなケースもあったようです。さらに、学校の先生から「総合型なんて訳が分からないし、あなたに向いてないからやめなさい」とまで言われた受験生もいました。しかしながら、終わってみれば多くの受験生が合格していますから、受験情報や周囲の声に惑わされることなく、最後まで諦めずに頑張ることが大事な共通点として挙げられます。逆に「ここは倍率も低いし大丈夫だろう」と高を括っていると「まさか!」の結果になってしまうことも少なくありません。実にオーソドックスな要素ではありますが、総合型選抜・公募推薦でもやはり地道な努力の積み重ねと自分を信じる気持ちが実を結ぶと言えるでしょう。
その中でも特に合否の行方を左右するものとしては、小論文と面接が挙げられます。この二つは、当日にならないと何が出題されるか、何を質問されるかが分かりませんから、柔軟な応用力が不可欠です。だからこそ小論文ではなるべく多くの過去問を分析したり、予想問題に取り組んだり、学部学科のテーマに関連する時事問題を勉強したりといった対策を最後の日まで粘り強く取り組まなければなりません。もちろんどこまでやっても何が出題されるのかは絶対に分かりませんから、試験当日に課題文を見るまで不安が解消されることはありません。面接も同じことで受験生から「何が聞かれますかね?」と何度も言われますが、私からは「面接官じゃないから分からない」としか言いようがありません。したがって、最後まで大きな不安を持って試験会場に入っていくのが現実です。しかし、その不安と正面から向き合えるかどうかが勝負の分かれ目になっているようです。
以上のことから、合格者の共通点をまとめると次の3点が挙げられます。
1.人気や倍率、周囲の声などに惑わされない
2.不安を受け止めて最後まで正面から向き合う
3.小論文と面接対策に粘り強く取り組む
そして、最後にもう一つ大事な要素として「塾の指導を受けるなら最初から受ける」という点を挙げたいと思います。例えば、「志望理由書やエントリーシートは自分と学校の先生で仕上げたので小論文と面接だけ指導して欲しい」「プレゼンテーションの内容と資料は親と一緒に作って提出したので発表だけ指導を受けたい」といったケースです。そこで、その完成させた志望理由書やプレゼン資料を確認してみると、伝えるべき大事な要素が欠落していて、しかももう修正ができない、間に合わないということが良くあります。こうなると前述したような逆境、逆転の合格は難しい状況となってしまいます。もちろん受講料の問題もあるとは思いますが、せっかく指導を受けるのであれば、苦手な範囲や最後の仕上げだけではなく、最初から専門性を持ち合わせた指導者の指導を受けることで、自信を持って試験に臨むことをお勧めします。