コラム

総合型選抜・公募推薦で受かりやすい大学とは

総合型選抜・公募推薦で受かりやすい大学とは

大学受験で志望校を決める際、大きく二つの考え方があります。

一つは、誰もが入りたいと思う人気校、ハイレベルな難関校を目指してチャレンジ精神で臨むという考え方。もう一つは、できるだけ高確率での合格を目指して入りやすい大学を選ぶという考え方です。夏から本格的な準備を始めて秋に入試がある総合型選抜や公募推薦では、後者の考え方で臨む受験生が圧倒的に多いように感じます。それはやはり複数の大学を受験できる一般入試に対して、総合型選抜や公募推薦は合格したら必ず入学するという専願方式が多いことが理由でしょう。

では総合型選抜や公募推薦において受かりやすい大学とは、どのような大学なのかを考えてみましょう。まず単純な発想として倍率が低いということが思い浮かぶでしょう。大学、学部学科によって例年2倍前後という低倍率のところから5倍、6倍という人気のところまで様々です。数字だけを見れば、当然2倍なら2人に1人は受かるわけですから入りやすそうだと感じてしまいます。しかし、総合型選抜、公募推薦の場合は注意が必要です。たとえ倍率が低いからと言っても学校の先生の誤った指導によって志望理由書や課題論文のポイントを外してしまったり、練習不足から面接で円滑な受け答えができなかったりすると、たちまち不合格者の方へと流れてしまいます。これは1.3倍や1.5倍のケースでも当てはまります。したがって、単純に数字だけを見るのではなく、正しい指導を受けることが何よりも重要ということになります。

その点から考えると、受かりやすい大学とは事前準備のみで対応できる大学と言うことができます。具体的には、まず志望理由書やエントリーシート、課題論文の提出が挙げられます。これらは事前に構想を練ったり、何度も書き直したり、第三者に読んでもらい感想を聞いたりすることができますから、十分に吟味した上で提出することができます。ただし他の受験生も同じような取り組みをしているでしょうから、やはり勝負と言えます。また、プレゼンテーションの作成と発表も事前準備を行うことができます。同じようにいろいろな人に資料を見てもらったり、発表を聞いてもらったりして他の受験生との差別化に繋がるような工夫を盛り込むことができます。

それに対して、小論文は大きな勝負の分かれ目となります。

どんなに過去問を研究していてもどんなテーマが出題されるのかは試験当日にならないと分かりません。また、そのテーマに対して文章全体の構成や具体的なアイディアが時間内に考えられるかどうかも当日やってみないと分かりません。これは志望理由書やプレゼンテーション発表に比べて、受験生にとって大きなハードルと言えるでしょう。しかし、どんなテーマが出てきても対応できる書き方や発想力の訓練をしておくことで落ち着いて対処できれば、他の受験生を大きく引き離す勝ちポイントとすることができます。先ほども述べたように事前準備では多くの受験生が学校や塾、両親といった第三者を巻き込んで同じような対策をしているため、差がつきづらく本当に入りやすいと言えるのかという状況があります。それに対して、当日の頑張りによって結果が大きく変わる小論文は、正しい指導の下、正しい練習を積んでおけば大きなアドバンテージを獲得することが可能になります。いずれにしても「受かりやすい大学はここ!」と一言で言うことはできず、総合型選抜では何が問われているのか、大学から何を求められているのかを正確に理解した上で、正しく取り組むことが受かりやすさを引き寄せる要因となりえるのです。

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